【キングダム】「謄」は死亡する？史実の最後や実在したかも調査！
『キングダム』は原泰久氏による人気歴史漫画で、中国の春秋戦国時代末期を舞台に、のちに「始皇帝」となる秦王政と、天下の大将軍を目指す若き信の物語を中心に描かれています。実在の史実をベースにしつつも、登場人物の人間関係や戦場でのドラマは大胆に脚色され、歴史エンタメとしての魅力を大きく広げています。
特に合戦のスケール感や武将同士の駆け引き、王宮での政治劇が巧みに組み合わされているのが特徴で、歴史好きから漫画ファンまで幅広く支持を集めています。
本記事では、キングダムにおける人気の登場人物の一人である「騰」のキャラクターについて死亡説や史実、作品での活躍についての観点から紹介します。
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作品における「騰」とは？
「騰（とう）」は、秦の大将軍・王騎の副官として長く仕えた人物です。作中では王騎の戦略や武勇を支える懐刀のような存在であり、豪快かつユーモラスな性格を持ちながら、冷静な戦況判断と部隊運用に優れた将軍として描かれています。王騎の怪鳥とも呼ばれる圧倒的な存在感の陰にあって、実際に部隊を動かし戦術を実行するのが騰の役割でした。
王騎亡き後にはその遺志を継ぎ、自身が秦の将軍として前線に立つことになります。史実でも「内史騰」として名が残り、韓を滅ぼす大功を立てた実在の人物とされています。
原作での活躍
騰は序盤、王騎の副官として戦場運用と部隊統制を一手に担い、馬陽戦では本陣の揺さぶりを活かした急所攻めで要所を制圧しました。王騎の最期には撤退戦を采配して軍を生還させ、遺志を継いで将軍に昇格します。
以後は函谷関・合従軍編で楚軍の大兵力を受け止めつつ、蒙武・王翦・桓騎らと連携して戦線を整理し、飛信隊や録嗚未らの突破口を作る縁の下の司令塔として機能しました。ユーモラスな口調の裏で、敵将の癖を見抜き一撃で首級を挙げる個の武も随所に披露します。中盤以降は東進の主力として韓方面の攻略を主導し、史実の内史騰に通じる「対韓の切り札」として扱われています。
キングダム作中で「騰」は死亡する？
結論からいうと現時点でのキングダムでは「騰」が死亡した描写はありません。原作は戦国七雄の「韓」を滅ぼした時点まで物語は進行しています。韓攻略戦は激戦で「騰」が率いる秦軍は苦戦を強いられますが、キングダム作中では「騰」が死亡する描写もなく、大きな負傷もせずに戦を終えることとなりました。
キングダム作中でも屈指のポイントである、「騰」の上官に当たる王騎将軍 死亡のシーンの印象が強く副官の「騰」も死亡したのではないかと噂されているといえます。
「騰」は実在する？
このキャラクターは史料上で「騰」と表記されるのが一般的です。史実では官名を冠して「内史騰」とも呼ばれ、ここでいう「内史」とは秦の都城や中枢を司る官職を意味します。作品やファン界隈で“謄”と表記されることがあるものの、史実上は同一人物を指すため、混同しないよう理解しておくことが大切です。
実在性については『史記』などの記録に断片的ながら名前が登場しており、騰は韓出身の将で後に秦に仕え、秦王政（のちの始皇帝）に重用されたと伝えられています。最終的には内史の地位に就き、東方への進軍における要となった重要人物でした。
代表的な実績
史実では、秦王政（のちの始皇帝）が六国併合を進めるなか、前230年に内史騰をして韓を攻略・滅亡させました。これは連鎖的征服の最初の一手で、韓王安の捕縛により東方の出入口が開き、続く趙・魏方面への軍事行動に弾みがつきます。『キングダム』で騰が東進の実働将として描かれるのは、この歴史的役割に依拠した設定と言えます。短い記録ながら、韓滅亡の主役級として名を残した点が、騰の評価を決定づけています。
後述にもありますが、これ以降キングダムの作中で「騰」は登場していますが、死亡説が出るほど、史実では登場しなくなるといわれています。
史実における「騰」の最期
史実における騰の最期については、残念ながら決定的な資料が存在しません。没年や死因は一切記録に残っておらず、研究者の間でも「結末は不明」というのが一致した見解です。いくつかの学説では、統一後に秦の重要な官職である内史を蒙恬が務めていたことから、韓滅亡の戦功を挙げた後、「騰」は統一の完成前に退任あるいは死亡した可能性が高いと推測されており、キングダムでもこの説を採用するかは未定といえます。
とはいえ確証となる史料はなく、伝記も非常に断片的で、騰の人生の終幕は“史書の空白”として残されています。
「騰」に関する史料の手がかり
「騰」に関する史料は非常に限られており、後世の整理記事や竹簡研究によって断片的に確認されるにすぎません。代表例としては、秦の法制度や官僚制度を知るうえで重要な「睡虎地秦簡」などの簡牘類があります。そこには当時の官職名や人事に関する記載が含まれており、「内史騰」という人物が確かに存在したことを補強する材料となっています。
ただし、こうした竹簡に残されるのはあくまで実務的な断片であり、騰の連続した伝記や人物像を再構築できるほどの情報は揃っていません。そのため、研究者は後世に整理された史記などの文献と、竹簡や考古学的資料を突き合わせて「実在と官名、戦果の一部」を浮かび上がらせる作業を行っています。
とはいえ、生没年や家系、私生活といった個人的な部分は一切の記録がなく、騰の人間像は依然として霧に包まれています。
まとめ
「キングダム」に登場する騰は、史実の「内史騰」をモデルにした実在の人物であり、韓を滅ぼすなど秦の東方攻略に大きな役割を果たしました。ただし史料は断片的で、生没年や最期の経緯は一切不明です。作中では王騎の副官から将軍へと成長し、ユーモラスながらも冷静な采配を見せる堅実な名将として描かれています。
このように、乏しい史実の空白を補うようにキャラクター性や人間関係が盛り込まれ、物語に厚みを与えているのです。こういった史実の余白をどう埋めるかがキングダムの魅力であり「騰」の死亡の時期についても史料による定説も踏まえてうまく描写してくれるでしょう。
